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アメリカ南部をいく ニューオリンズ空港から北へ [超大国アメリカの経済社会]

ニューオリンズから「インターステイト55号線」を北上して、2時間が経ちました。
相変わらず、"just straight"の退屈なドライブのなかで、唯一の楽しみは、「道路状況」を見ることです。

アメリカの道路の分類は、①連邦政府が管理する「インターステイト」(Interstate)、②「国道(US Highway)、③州が管理する「州道」(State Highway)、④カウンティなど地方自治体が管理する「カウンティ道」(County Highway)、⑤「一般道」(boulevard、avenue、street)となっています。

連邦が管理する「インターステイト」は、州や自治体が管理する道路に比べて道路状況が良いです。州や自治体は、多くの場合、「均衡財政」(balanced budget)と呼ばれるのですが、財源の許す範囲での予算を編成します。「入るをもって出ずを制す」のが、州や自治体の地方分権の基本原則という訳です。

もし新たな事業を行う場合は、"pay as you go"と一般に言いますが、必要となる財源を確実に確保する措置が求められます。

したがって道路建設のためだけに多額の起債を行うことは、州や自治体にとって自殺行為となります。また日本に比べて、道路建設を恒常的な「雇用対策」の手段にしたり、利益誘導や政争の具になることは少ないです。

ですから、オバマ政権による昨年からの「経済刺激策」(インフラ整備を中心とする大型の連邦補助金プログラム)は、州や自治体にとって「タナボタ」となりました。

今回、「インターステイト55号線」にも所々、道路補修の現場を発見しました。 これは左のレーンに「アスファルト舗装」を行っていますね。
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元来、日本の道路は「アスファルト舗装」が一般的ですが、アメリカのインターステイトは「コンクリート舗装」が基本なので、空港の滑走路のように、とても白く見えます。

アメリカの「コンクリート舗装」にする理由は、長期的な耐久性です。大型トレーラーが往来するのに耐えられるよう設計しています。ただしコンクリート舗装はアスファルト舗装よりもコストと時間がかかるのが難点です。連邦当局は部分的な道路補修をアスファルト舗装で済ませるケースが多いです。

コンクリート舗装と、アスファルト舗装とで、マダラ模様になっているところがあります。
この通り、インターステイト55号線でも発見しました。
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ジャクソン市まであと、1時間半のドライブです。

アメリカ南部をいく just straight [超大国アメリカの経済社会]

私はいま、ミシシッピー州の州都、ジャクソン市にいます。

2月21日成田を発って、シカゴ経由でニューオリンズ空港へ。ユナイテッド航空の場合、ニューオリンズ行きの国内線は、夜9時半の便しかないので、シカゴ・オヘア空港(ハブ)で7時間も待たされます。アメリカン航空やサウスウェスト航空ならもう少し乗継ぎが良いのですが。

翌朝、ニューオリンズ空港でレンタカーを借り、巨大ハリケーン「カトリーナ」ですっかり有名になった湿地帯を横目に、インターステイト10号線に乗って北上します。

乗って30分ほど経つと、インターステイト55号線とのジャンクションにぶつかり、55号線に乗り換えます。ここから出張の目的地ミシシッピー州ジャクソンへ向かって、とにかく真っすぐ。

just straight...

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アメリカ南部での道路建設や地域開発プログラムは、戦後、連邦政府がその主導役を担ってきました。それによって雇用や経済開発が促進されてきた戦後の歴史があります。

それでもアメリカ南部は、アメリカ全体で見れば高い失業率と低い教育・所得水準という経済問題が際立っています。

通称「ブラックベルト(Black Belt)」と呼ばれる南部地域の肥沃な土壌(黒土)は、ミシシッピー、アラバマの2州を中心としています。今でもアメリカ南部の基幹産業は農業。綿花栽培は、世界的にも有名です。

そんなことを考えながら、just straightのドライブは、まだ続きます。
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アメリカ南部への道は、始まったばかりです。

イリノイ大学シカゴ校図書館で議会資料を収集 [超大国アメリカの経済社会]

短期カレッジの初日を大盛況のうちに終え、その翌日から、研究財団の資金でシカゴに出張中です。短期カレッジの2日目があるので、日本時間27日夕方に帰国します。

   真冬のシカゴ。 北海道出身の私でも、「かなり寒い」と感じました。
   そのはず、先週、寒波がシカゴを襲ったようです。
   Just freezing....

昨夜ホテルでテレビを見るていると、ちょうど、オバマ大統領が議会演説をライブで見ることができました。オバマ大統領の活動拠点であるシカゴでライブで見れたので、何か嬉しい気がしました。

実は短期カレッジの初日、オバマ大統領の演説を素材に「言葉の力」(ソフトパワーの一つ)という視点で少しレクチャーさせていただきましたが、今回の「議会演説」の特徴としては、言葉の力に加えて、映像の力が強かったと思います。

オバマ大統領の後ろに座っている、バイデン副大統領、ペロシ下院議長(D)の立ち上がる勢いとタイミングです。
オバマ大統領が重要施策を述べると、ペロシ氏が勢いよく立ちあがり、タイミングを少し遅らせて、バイデン氏が場を包容するように立ち上がる。その繰り返しの映像が印象的でした。映像は、強力なソフトパワーです。
経済再建を最重要施策に掲げた民主党オバマ政権の危機意識が、いかに連邦議会と一体化しているかを示す演説でした。

イリノイ大学シカゴ校(UIC)の図書館の様子。
毎日ここで缶詰です。
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シリーズ「アメリカの暮らしと地域づくり」 ~「健康食ブーム」編 [超大国アメリカの経済社会]

前回にご紹介した、首都ワシントンにある上院議員会館。 さて、今回はその議員会館の地下にある議員・スタッフ食堂にご案内します。

 オレゴン州選出のWyden上院議員との接見・ディスカッションを終えたのが、夕方4時。その足で、小腹が空いたのもあり、前から行きたかった地下にある議員食堂、カフェテリアに向かいました。

 エレベーターで地下に降りると、全部で4か所ほどの食堂やカフェテリアがあり、夕方の中途半端な時間でも営業しています。まず、議員が会食に使用する、オフィシャルなレストランの様子から。
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 カフェテリアの方はこのような感じです。アメリカの大学によくあるような、ごく普通の学食の雰囲気です。 皆さん、ひとり孤独に食事されています。 それもそのはず。ボス議員や党の政策情報を管理するような方たちばかりですから。そんなシビアな雰囲気の中、私の小腹は空く一方でしたが。 
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 そして、レジ横にあるパック販売ゾーンの陳列商品で一際目立つのが、健康食でアメリカで広く知られる「すし」。もはやパック販売の定番になっています。ワシントンは政治首都だけでに、比較的早い段階から健康食ブームがあり、特にすしは注目されていましたが、やはり議員会館でもその存在は大きいです。すし職人でもないのに、買いもせず、何だか誇らしげにそれを見守る、日本人・塙がいました。
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 一般に、アメリカでのすしの価格帯は、肉類や果物に比べれば比較的高いです。特に女性を中心とするベジタリアンの方はサラダのパック詰めを購入、あとはコーヒーというのが、定番の健康食パターンになっていますが、すしは、そうした健康食を好むベジタリアンを新たなマーケットとして成長しています。また、形状が崩れにくく、テイクアウトしやすいのも人気の一つと聞いてます。
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シリーズ「アメリカの暮らしと地域づくり」 ~「上院議員を訪問」編 [超大国アメリカの経済社会]

シリーズの第3話は、「上院議員を訪問」編です。


  突然ですが、アメリカの連邦議会(日本でいう「国会」)は上院と下院からなっており、このうち上院は各州2名ずつ選出された100名の議員で構成されています。
  今回は、上院の議員会館の中をご案内します。予めアポイントメントを取って、通商政策、教育政策、福祉政策に精通するオレゴン州選出のRon Wyden上院議員を訪問、インタビューをする機会を得ました。


ワシントンにある連邦議会・議事堂(Capitol Hill)のすぐ北側に隣接する、上院議員会館"Russel"。
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セキュリティを通って議員会館の中へ。Ron Wyden上院議員のドアの前へ。
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ドアに付いてあるオレゴン州の印形。
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いざ議員室の中へ。入ってすぐのエントランス、中央にはレセプショナーの机。左手の奥にはWyden議員のメインオフィスがある。もちろん許可を得て撮影。
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  今回は、Wyden議員の他に、若い政策秘書の方にもディスカッションに加わっていただきました。大学院生のインターンの姿もありました。皆さん、気さくです。
  
  Wyden上院議員への質問・インタビュー、それに対する上院議員の返答内容は、私の講義(地方財政・自治体論、都市経営・公共政策論、特別研究(福祉国家と日米経済)の3科目)の中でお話したいと思います。 グローバリゼーションの進む中で、高齢社会を維持し、一定の経済成長を求められている我が国にとって重要な示唆を得ました。

シリーズ「アメリカの暮らしと地域づくり」 ~「老舗スーパー」編 [超大国アメリカの経済社会]

シリーズの第2話は、「老舗スーパー」編です。

  アメリカ経済は個人消費、特に住宅、自動車、食料品や衣料などの小売が成長エンジンになっていますが、今回は、食料品にクローズアップしてみましょう。

  早速、アメリカの「庶民の台所」スーパーマーケットに潜入してみましょう! ここは、ワシントンDC内のアメリカ最大手のスーパーです。アメリカは「大量生産・大量消費」の経済大国で知られますが、まさにそのことを思わせるものを一つ、ご紹介します。


  それは、この老舗スーパーの得意技、"Buy one, Get one Free"という売り方です。


  アメリカのスーパーは、日本と同様、消費期限が比較的早いもの、特に肉類、果物、野菜などは、売れずに在庫として眠らせることは「赤字」です。元々肉類は単価が安いとは言え、やはり消費期限内に販売したいのがスーパーの店長の本音ですよね。そこで、この老舗スーパーの伝統的特徴といってよいのが、「一個買えば、もう一個タダですよ」という、"Buy one, Get one Free"の手法で、在庫調整を行います。特に、庶民の食生活を支える売れ筋商品、特に、肉類、果物、ヨーグルト、牛乳が、"Buy one, Get one Free"の対象となって在庫調整を図っています。


ベーコンの場合。つまり2ハパックで5ドル99セント(約600円)。
1パックはベーコン20枚入り。
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チーズの場合。これは、"Buy 2, Get one Free"(2個買うと、1個がタダですよ)。
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  言い換えますと、庶民の大量消費を持続可能にしているのが、「在庫調整」の手法としての"Buy one, Get one Free"なのです。自動車も20世紀後半から大衆消費財(生活必需品)として社会に出回りました。でも、自動車はさすがに人件費、研究開発コスト等の販売コスト単価が高いため、"Buy one, Get one Free"(1台買ったら、2台目はタダ)は成立しませんよね・・・残念。

  経済学の理論では、「大量生産・大量消費」が可能となるのは、主として大衆化した裾野が広い消費財、つまり「需要の価格弾力性」が低い生活必需品においてであって、広く人々にその経済的便益が分配されます。また大衆消費財の出現は、同業他社間の競争をもたらし、供給者間での価格競争を生みだします。

  要するに、生活必需品である食料品は、「大量生産・大量消費」を可能にする典型分野です。大量に買い物するほど、得をするという消費社会の構造です。客の一度の買い物の量が増えるのも必然で、だから車で買い物に行く必要性も出てきます。都市計画、まちづくりにも直接影響しますね。
  「大量生産・大量消費」の是非はともかく、在庫調整が重要なカギを握っているのが、アメリカのスーパーの実情です。

シリーズ「アメリカの暮らしと地域づくり」 ~「意外な交差点」編 [超大国アメリカの経済社会]

本シリーズ・「アメリカの暮らしと地域づくり」では、日本経済にも多大な影響をもたらす、超大国アメリカについて、インターネットだけでは知りえないアメリカ国内での様々な経済問題、財政問題、地域問題をクローズアップして、実際のデジカメ画像とともに御紹介するものです。

 ここで紹介する内容は、私のスクーリング担当科目、
・「日本経済・産業概論」
・「地方財政・自治体論」
・「都市経営・公共政策論」
でも一部扱い、皆さんとディスカッションする素材になっております。
経済や財政はもちろん、都市問題やまちづくりにご関心のある方は、お気軽に履修されてください。

 さて今回のテーマは、「意外な交差点」編です。

  先週、アメリカのワシントンDCと近隣2州に出張しました。出張の目的は、都市公共交通(特に地下鉄とバス)の財政資料収集と会議出席、現地視察、ディスカッションでした。その際、地下鉄の駅をはじめ、ワシントンの都心部を相当廻りました。
  車社会アメリカでは公共交通は衰退の一途を辿っていますが、都心部では利用者は多いです。とはいっても、アメリカはマクロ的には車社会であり、路上駐車用のコインパーキングが設置されているのが現状です。例えばアメリカの都心部で「一方通行」が多いのも、路上駐車用スペースを確保し、交通の円滑を図るのが目的の一つです。

  ところが、車社会アメリカらしからぬ光景もあります。その象徴が「信号のない交差点」の存在です。先に交差点に入ってきた車が優先されるのが交差点でのルールです。もし交差点を渡ろうとする歩行者がいたら、どの車も一斉に止まり、交差点には入れません。特にワシントンDCは自治体条例としてこれを定め、車社会の暴走、リスク軽減を図っています。
  こうした「信号のない交差点」は都心部はもちろん、郊外にもあります。日本に比べて道路財源が圧倒的に乏しいアメリカでは、信号の設置費用の抑制にも寄与しているわけです。

画像1 信号のある交差点  ~ワシントンDCの都心部(ジョージタウン)~
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画像2 信号のある交差点 ~わたる歩行者~
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画像3 一方、信号のない交差点 
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画像4 信号のない交差点 ~ワシントンDC郊外、メリーランド州Upper Marlboroタウン~
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  CO2削減という国家課題を前に、近年アメリカの自治体は相当変化しています。道路建設のための連邦補助金(Flexible Aid)も包括化をはかり公共交通に振り分けられるようにするなど柔軟化して、行き過ぎた車社会を規制する動きは州・地方レベルで高まっています。
  世界最大のCO2排出国だけに、今後も注目したいところです。

アメリカの州・地方債とサブプライム問題 [超大国アメリカの経済社会]

昨年の夏からいよいよ深刻化したSub-Prime(サブプライム)問題。これは州や地方自治体の財政運営にも直接的な影響を与え始めている。

低所得者向けの住宅ローンが証券化されヨーロッパ諸国を中心に販売された。それがアメリカ国内で焦げ付いたことで世界の証券・金融市場が混乱を極めている。日本も苦しめられた不良債権問題の、いわば世界版。いかにアメリカの証券・金融市場が国外への影響力をもっているかが実証される形となった。

このアメリカ金融問題は、私が研究テーマの一つにしている、アメリカ財政に深く関わっている。州や地方自治体(市、カウンティ、学校区、特別区など)は財源不足を補うために債券(一般財源保証債とレベニュー債が中心)を発行しているが、その債券発行の手続きには債権の保証に専門特化している信用保証会社(モノライン)が介在する。このモノラインは、サブプライムローンを担保とする金融商品を保証していたため、まず、保証会社それ自体の信用格付けが下落。連動して、州・地方債の金融商品の市場価格も大幅に下落した。

私自身、注目しているのは、この州・地方債の金融商品価格の急落によって州・地方政府の公務員給与の支払いが滞っている点である。例えば、学校区は教職員給与の支払が困難となっている。教職員給与の主税源である地方財産税が豊かな学校区であれば、信用が高いため、新たに金融機関から資金調達できるが、そうではない学校区は資金難に陥っているのである。

アメリカ型の地方分権の厳しい現実を垣間見ることができる。アメリカには、地方債の元利払いを負担してくれる国からの補助金(日本でいう地方交付税交付金)が全く存在しない。それゆえに、このサブプライム問題は地方自治体にとって深刻になっている。


世界一忙しいシカゴ・オヘア空港 [超大国アメリカの経済社会]

8月17日から末まで出張でシカゴとニューヨークへ行った。

成田からシカゴへはUnited航空の直行便で行き、そのシカゴでは数日間滞在した。シカゴの公共交通システムRTAの財政分析のための資料収集、ディスカッションが目的だった。

さて、そのシカゴへの玄関口はオヘア国際空港。このオヘア空港の離発着数は世界一。オヘア空港はUnited航空のハブ空港であり、現代の航空貨物輸送の主流である「ハブ&sポーク」システムの中枢である。飛行機社会アメリカでは、貨物だけでなく、旅客も、ハブ&スポーク戦略で経営合理化を図っている。

この日、数日間滞在したシカゴからニューヨークへ向かうフライトは、午後2時だった。しかし、その便は大幅に遅れた。使用する機体がまだオヘアに到着していないからだった。オヘア発の午後の国内便にはよくある話。ようやく機体が到着。給油作業をコンコースから見ていたが、かなり素早かったのが印象的。さすが、世界のハブ、オヘア空港。。。結局フライトは1時間半ほど遅れで、まだ増しだった。

写真は、ようやく搭乗した飛行機の窓から撮った離陸直前の滑走路の様子。少しでも遅れを取り戻そうと、離陸を待機する飛行機を全部追い越して、滑走路に向かう時の写真。

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写真にも写っている追い越した飛行機は、全部で18機。
オヘアはまさしく世界一忙しい空港であった。

映画「ER」の舞台シカゴ、クックカウンティ病院へ [超大国アメリカの経済社会]

 アメリカの人気ドラマ『ER救命救急室』の舞台はシカゴ。同じくシカゴを舞台としたアメリカ映画で貧困や医療保険の不公平性をテーマとした『ジョンQ』。いずれの映画にもシカゴ市内にある病院が出てくる。
 税金投入して維持されるわが国の国民皆保険制度は、財源不足が最大の懸念材料となっている一方で、アメリカでは、民間保険が医療費をそれ相応にカバーしている。このことは、その従業員がフルタイムかパートタイムか(労働時間は何時間か)という「雇用条件」をもって保険内容も決まるという仕組みになっていることを意味しており、医療サービスの内容が所得水準で決められているのは、不公平であるとの批判が背景にある。ちなみに国民の医療費でみると、日本より、アメリカの方が高く、仮にアメリカに国民皆保険を導入するとなると、国(連邦)は保険料を高く設定する必要があると思われる。それを選択するかどうかはアメリカ国民に委ねられている。

 さて映画『ER』の舞台として実在する病院、それがCook County Hospitalです。荘厳な建物です。実はこれは旧館棟。以前取り壊しが検討されたが、住民の意向により保存することに。
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もう少し近づいてみましょう。
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そして新館棟がこれ。新棟の名は、「ジョン・ストローガー・クック群総合病院」。
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さらにERの雰囲気を漂わせる救急車の車列が。
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ところで、民主党ヒラリー大統領候補は、全米に5千万人いると言われる無保険者やワーキングプアの問題を取り上げて、いよいよアメリカに国民皆保険制度を導入する時代が到来したと主張している。都市部の貧困問題を重視してきた民主党としては当然の論法で、導入可否をめぐる今後の論争に注目したい。

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