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2012年アメリカ大統領選」(1) オハイオ州クリーブランドの証言 [超大国アメリカの経済社会]

 2012年アメリカ大統領選もようやくフロリダ州の結果が明らかになり、民主党332人、共和党206人という最終結果で幕を閉じた。民主党オバマ大統領の「圧勝」であった。

 私は、ちょうどこの2012年選挙の直前、両党の候補者指名受託演説が開催されていた8月下旬から9月上旬にかけて、激戦州の一つオハイオ州に出張する機会を得た。クリーブランド市やコロンバス市に数日間滞在した。その中で、クリーブランド市滞在中に貴重な証言を得ることができた。それは、今思えば「オバマ圧勝」を鋭く察するものであった。

 私はその日、クリーブランド市ダウンタウン地区を流れる川に架かる古い鉄橋の管理人と話すことができた。その鉄橋管理人とは、オハイオ生まれ、オハイオ育ちの60代後半の白人男性である。

 白人男性いわく、「製造業に長く依存してきたオハイオ経済、とくにクリーブランドの地域経済はグローバル化の進展よって悉く衰退した。とくに鉄鋼業は衰退の一途だよ。オハイオ州には製造業に就こうという若者は自分の息子を含めて激減したよ(笑)」 と。その男性の息子さんは現在、アメリカ空軍に勤務しているという。
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 その白人男性は、昔から基本的に共和党支持者。ということは当然ロムニー候補に票を投じるのかと思われた。しかし、クリーブランドで働く人間の心境は、そう単純ではないということがわかった。

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その男性いわく、「民主党オバマ大統領は、本気でアメリカの製造業の競争力を強化して雇用を生み出そうとしている。隣のミシガン州の自動車産業への救済措置で、それを強く悟った。だから自動車産業と同様、鉄鋼業もある程度は救済措置を打つはずだ。2008年選挙は共和党(マケイン)に投票したが、2012年選挙は民主党(オバマ)に投票するつもりだ。」 と。
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中西部オハイオ州クリーブランド市の鉄橋管理者の証言は興味深いものがあった。今回2012年選挙の激戦州オハイオ州でのオバマ勝利は、こうした悩める共和党支持者の苦悩の選択、まさにswing votersの存在が大きかったようである。

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