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出資金の90%まで地方債で調達OK [財政問題と地方分権]

地方公営企業等金融機構への移行は、その総額166億円を地方自治体による「共同出資」で賄うことで実現されます。都道府県が64億円、市が91億円、町村が11億円、という内訳。

総務省は、厳しい地方自治体の財政状況の中で出資させるために、出資額の90%まで地方債で出資金を調達することを認め、キャッシュに余裕のない自治体でも出資できる仕組みにしました。つまり、地方に借金をさせてまでも、出資金を自ら調達させる、というものです。なかば強制的に見えるのも、そのはずで、ここまで自治体の共同出資させる最大の理由は、もし自治体から出資金が集まらないと、新「機構」に対する証券市場からの信用をは低下してしまい、新機構が資金不足を解消するために債券発行を行うとなると、金利が上昇する恐れがあるからです。それを避けるために、「自治体に」債券発行させる、というものです。

確かに、地方自治体が債券発行することは、新機構の融資活動にはメリットがありますが、しかしそのためにと言って地方自治体に債券発行(要するに借金)させるのは、自治体の住民(納税者)に利払いを強制するものであって、これでは地方分権改革に逆行しています。

日本の地方債ファイナンスは米国に比べて問題が山積しているのですが、最大の課題は、地方債の発行は原則として公共事業用の資金調達を目的としている点です。これを今回の改革によって、地方債の発行に特例が与えられ、地方財政ファイナンスに幅が広がったとの評価もあるでしょうけど、しかし本質的な問題解決とはならない気がします。

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